2012-01-01から1年間の記事一覧

長い休息

三週間日記を書けずにいた。 生命の停滞 精神の低迷 思考の膠着 自分にとって 書けないということは 生きていないということだ。 なすすべもなく、 ただただ、肉体も精神も疲弊しきっていた。 ある日...駅で『レーピン展』のポスターを目にした。 椅子に腰か…

二度目のコスモス街道

東京は今日も晴れて暑い朝だったが 佐久の天気は曇り...で、涼しい。 いつものとおり、キキョーヤに向かう。 店に入ると、奥で作業をされていたHANAさんが ムイカリエンテに気が付いて出てきてくださる。 眼鏡をしていないと、より若く見えるな ここで朝食を…

流転

ひどい二日酔いのまま目が覚めた。 鏡を見ると、顔から首までまだ赤い。 今日は打ち合わせが午後からなので チェックアウトまでゆっくり休んで 外に出た。 京都の空は快晴...焼け付くような暑さだ。 高瀬川でも見にいくか... 400年前に作られたというこの運…

T氏の訃報

京都で仕事を終えて同僚と軽く飲み、山科のホテルにチェックインしたと同時に携帯が鳴った。 長岡のT氏の自宅の番号...久しぶりに東京に来るのかなと思って電話に出ると、声が違う。 「Tの息子のNです。父が昨日亡くなりました」と...一言 晴天の霹靂とは…

ブルームーンの夜に...

宮崎空港を飛び立った飛行機が大きく右に旋回すると、 日向灘の向こう...霧島山脈に夕陽が落ちていく夕陽が 空と海を朱く染めていた。 いつもは旋回方向が逆で、阿蘇山が見えるのに 今日はどうしたことだろう... 右の窓側に座ったムイカリエンテに、 機長が…

『大鹿村騒動記』

前夜の酒と薬の相乗効果で、目が覚めたら13:30だった。 のろのろと起き上がり、誰もいない居間に行って、ラップのかかった朝食を温めて食べる。 見るともなくつけていたテレビを消そうかとリモコンを持ったら どうも、映画が始まるらしい... 聞いたこともな…

海に映る雲

ぬけるような青空の下に フェニックスの並木がまっすぐにのびていた。 辛い打ち合わせが終わり、 上長をホテルに落としてから、 レンタカーを返すついでに 夕刻の迫る国道220号線を 海を目指して南下していった。 道の駅への交差点を左に折れ 空に伸び上がる…

豆腐尽くし

S氏に誘われて「黒茶屋」で食事をしたのは ちょうど一年前のことだった。 (↓その日の日記) http://d.hatena.ne.jp/mui_caliente/20110816 あれから一年... 状況は変わらず、元気のない自分... 日記を読んでか、不意に連絡をいただいて 食事に誘われた。 …

宇野千代『おはん』

『おはん』は、たった100頁余の短い小説であるが 宇野千代は、この作品に10年の歳月をかけた。 その間、他の作品は書いていないことを考えると そこにどれほどの想いを注ぎ込んでいたかがわかる。 この小説との出会いは、 やはり宮本輝氏の影響だった。 私の…

ひつまぶし..鰻の思い出

名古屋日帰り出張...世界のト○タ中央研究所 仕事が終わって名古屋で同僚と別れ、一人で大須へ 遅めのランチをいただきに、「大松」に入る。 ミニひつまぶし(1500円)がランチタイムは800円で いただける。 今年はうなぎを食べていなかったので ミニがさらに…

勇者の風格

その方が、どれほど壮絶な戦いをされたか 以前に聞いていた。 同じ区内に住むAさんご夫妻。 お互いに面識はなかったが Tさんを通じて、Facebookでムイカリエンテの 文章を読まれ、興味を持っていただいたようで 職業欄の「フリーダンサー」というジョーク…

Moonlight sonata

今夜もすこしだけ欠けた月が明るく美しい。 十五夜の翌日を十六夜と書いて"いざよい"と読む。 月がためらっているような姿から、「ためらう」という意味の動詞「いざよう」を名詞化したという。 ためらう乙女のような...なんとも艶っぽい言葉だな。 久しぶり…

海に映る月の情景

地下鉄の改札を抜けて外に出ると 僅かに残った日中の余熱が アスファルトからふわっと浮き上がり 頬をなでた。 通りに出たところで 誰かに呼ばれたようで振り返ると すっかり暗くなった東の空に 明るい満月が浮かんでいた。 真夏の夜の満月を見上げて、ほお…

骨付きカルビ!!

今週も出張続きである。 7/31 宮崎日帰り 8/1 名古屋日帰り 8/3 栃木日帰り 仕事をしている時間自体は短いのだが 出張というのは移動距離に比例して 体力が消耗するものらしい... 出張生活25年 最も移動の多かった2007年は、 一年間の移動距離が80,000km(電…

蓮の花に逢いに...

今年も、薬師池の蓮の花が咲き始めた。 先週末、ふと思いついて行ってみたら 見事な大輪がいくつも開いていた。 両親に写真を見せると、行ってみたいと言うので、 今朝は早起きをして両親を迎えに行き、 弟の嫁さんのRちゃんとまだ幼い姪と甥を乗せて 薬師…

どうしようもない人々 どうしようもないわたし

今週は、滋賀から神戸・大阪・奈良と関西出張 移動の時間がタイトできつかったが 会社でつまらない茶番劇をみているよりはましだ。 大阪の夜は、老人の相手をして串揚げ屋で飲んで その後は、久しぶりのミナミをひとりで徘徊... 酔った頭脳に湧き起ってくる…

精神の平衡

それは、何の脈絡もなく突然に来た。 7月13日金曜日... 抑えていたストレスや悲しみが堰を切ったようにあふれた。 胸骨の裏側あたりから、 得体のしれない巨大な塊が突き上げるように 不安と恐怖が湧き上がった。 動転して、しばらく飲んでいなかった薬に手…

若き旅人たちへ…

懸命に生きる青年の姿ほど、 美しいものはない… たとえ今は どんなに厳しい状況であっても どんなに危うく見えても 青年が前に向かって歩く姿を 目にするだけで 希望が…勇気が…そして 歓喜がわきあがる。 客先からの帰り、横浜駅で途中下車 暑さを凌ぐために…

アガパンサスの花

友人のお嬢様であるMAYUちゃんは S大学芸術学部の2回生 高校生の時からこのブログを 読んでいただいている ムイカリエンテにとっては 最年少のガールフレンドである。 と、オヤジは勝手に思い込んでいるだけだが.. モダンバレーの発表会にお誘いをいただき…

大人の隠れ家"GREEN WINDS"

出張続きの一週間... 3日(火)は、長野市松本市日帰り 4日(水)は、宮崎日帰り そして、今日は午前中会社に出て 午後から大阪へ移動... 久しぶりにH氏に会いたくなって電話をし 淀屋橋の"GREEN WINDS"という店へ... http://tabelog.com/osaka/A2701/A2701…

雨が降り始めたので、田園を見に出かけた。 7月のやさしい雨にうたれる生命の 歓びに触れてみたくなったから... とめどなく生じては消える雨滴の波紋 ひとつひとつの生命の波動か... 水の上に落ちて波を起こし 他の生命と重なりあったり、打ち消し合ったり …

枚方の街並

営業のおじさんが組んだ出張計画では 今日の午前中はフリー... 昨日Facebookで、京都に来ていることを つぶやいてみたら、 このブログを通じて知り合った、 枚方の友人Mさんから 「いっぺんお逢いせなあきませんね〜」と コメントがあったので、会いに行く…

京都の町屋

京都の半導体メーカーに新規開拓営業。 明日は滋賀なので、京都泊... まだ明るいので散歩に出かける。 中心部の観光は、何度もしているし 今は桜とか紅葉の時期ではないので 町屋を見て歩くことに... 一日乗車券を買って、行ったことのない西陣方面 西陣織の…

曇り空の下で

重い雲の垂れ込めた朝... 風は少しひんやりとして気持ち良い。 駅まで行く道端に咲く紫陽花は 色を益し、生気をたたえている。 こんな空を見上げ ふと、中原中也の詩の一行を思い出し、口ずさんでみる。「僕は雨上りの曇った空の下の鉄橋のやうに生きてゐる…

死というもの

久しぶりに何の予定もない土曜日 前日の写真を編集して整理しWEBにアップして 読み終わった本を所々読み返して ブログをアップし... Facebookに書き込みをして一段落...あとは、バッハのピアノ曲inventionを聞きながら思索の時間にぎやかな天地 上作者: 宮本…

あじさいの宇宙

栃木出張の往復の電車で 水上勉の『越前竹人形』を読み終える。 越前の山奥の小さな集落で生まれた主人公、氏家喜助 父の姿そのものの醜い容姿 子供のように背が低く、頭が大きく眼のくぼんだ、暗い表情... これは、水上作品の『五番町夕霧楼』『雁の寺』の…

また一歩から....

ある日突然、言葉が出てこなくなった。 心がこわばって...一歩も前に踏み出せない。自分のなかで、生命そのものが濁っていくような重苦しい感覚。 たとえば、道端に咲く花を見て、視覚では美しいと感じるのに、 心は歓びを感じていない。 宮崎からの帰りに飛…

flamenco flamenco

外出先での仕事が早く終わってしまい まだ明るいうちに地元に帰ってきたが 家に帰る気分にならず、センター北駅で下車 映画でも観るかな...と、シネコンを覗くと 「フラメンコ フラメンコ」という映画が.. 真紅のドレスを着たバイラオーラ(ダンサー)に 吸い…

水に映る睡蓮

二日酔いが残ったまま目が覚めた。 昨日は飲んだからな... K大学の支部総会と個人面談会の役員で 応援を依頼され、朝からキャンパスへ... 役員会の後、午後から総会、そして個人面談。 この大学の伝統で、 後援会の役員と各学科の教授陣が、毎年この時期全…

生田緑地バラ苑

代休をとって生田緑地へ... ここにバラ苑があることは知っていたが 訪問は初めて。 元々ここには向ヶ丘遊園地があって 小学校の時に遠足で来たような記憶があるが それきり、来たことはなかった。 坂道を登り、急な階段を上がりきって 視界が開けた瞬間に、…