精神の平衡

それは、何の脈絡もなく突然に来た。
7月13日金曜日...
抑えていたストレスや悲しみが堰を切ったようにあふれた。
胸骨の裏側あたりから、
得体のしれない巨大な塊が突き上げるように
不安と恐怖が湧き上がった。


動転して、しばらく飲んでいなかった薬に手を伸ばした。
そこにあった3錠を慌てて飲み込んだ
...それでも処方の1日量の3倍...無茶だったかもしれない。
一刻も早く眠ってしまいたかった。
そして深い眠りに落ちていった。
12時間後、目が覚めるが目眩であるけず這ってトイレへ...そしてまた眠った。
夜も一旦トイレに起きたが、それきり翌日も同じように眠り続けた。
2日目の夜、はじめて食事を摂った。そしてまた眠った。
3日目...55時間後にやっと起き上がった。


不安の止まらないまま、仕事には行き続けた。
出張が多かったので、いつもよりさらに酒の量が増えていった。
飲んでも飲んでも、何も変わらない...


今日医者に行き、投薬治療が再開した。
以前も日記に書いたことだし、隠そうとは思わない。
ただ、無茶はよくなかった。
要因は、わかっている。
しかし、今はどうにもならない。
薬でごまかしながら生きるしかない。



罪と罰〈上〉 (新潮文庫)

罪と罰〈上〉 (新潮文庫)

《これはおれが重い病気にかかっているせいだ》結局彼は暗い気持でそう決めた。
《おれは自分で自分をおびやかし、苦しめながら、自分のしていることが、わからないのだ....
昨日も、一昨日も、このところずうっと自分を苦しめつづけてきた、病気が直ったら...
自分を苦しめることもなくなるだろう....だが、すっかりは直りきらないとしたら、どうだろう? 
ああ! こんなことはもうつくづくいやだ!....》彼は足をとめずに歩きつづけた。
彼はなんとかして気を晴らそうとあせったが、どうしたらいいのか、何から手をつけたらいいのか、
自分でもわからなかった。ある一つの、抑えることのできない感覚が彼をとらえて、
刻一刻ますます強くなっていった。
それは目に見えるまわりのいっさいのものに対する限りない、ほとんど生理的といえる嫌悪感のようなもので、
かたくなで、毒々しく、憎悪にみちていた。
行き会う人々がことごとくいやだった、.....顔も、歩く格好も、動作も、何もかも虫酸がはしった。
もし誰かが話しかけでもしようものなら、彼はものも言わずに唾をはきかけるか、もしかしたらかみついたかもしれぬ......
                      ドストエフスキー罪と罰』 第二部

最近読み始めたドストエフスキーの『罪と罰
ラスコーリニコフの苛立ちとか不安とか怒りとか...
自分のなかにも同じものがあることに気がつく。
ラスコーリニコフのつぶやきを読んでいると、自分の中から聴こえているようにさえ思える。


最近、酒も飲みすぎているな...
すこし抑えなければ....




出張で飲んだ写真まとめて↓