6月も今日で終わり。
失業生活は2ヶ月を過ぎてしまった。
具体的な進展は、何もなし...
昨日は埼玉のタッキーの会社でベンチャーオヤジKさんと打合せ。
Kさんとは10年ほどのお付き合いになるが
ベンチャーの長い冬を乗り越えて、昨年から上場企業に技術を認められ
新しい会社を興して、全国展開に向けて具体化してきた。
ムイカリエンテも、装置についてはいろいろとアドバイスさせていただき...
1号機が完成し、来週静岡に設置することになった。
うまく営業展開できれば(ここがミソだが)廃棄物の大半を占める汚泥を大幅削減して
環境に大きく貢献できることになる。
打合せの後、大和田駅前の居酒屋で久しぶりに飲む。
(最近日記を書いてないので、写真を撮り忘れてしまう...)
ワールドカップもあるので...ということで、早めに解散
渋谷でにわかサポーターの群衆にもまれ東横線ホームに着いたが、事故で運転見合わせ中
迂回して、結局家に着いたのは12時頃...サッカーには特に興味もないので、問題ないが..
今日は、いつものとおりやることもなく
見飽きた就職サイトを少しだけ閲覧。
応募したところで、また断られるのがおちだし...
働く意欲はあるのだけれど、最近就職を探す意欲がなくなっている。
ぜんぜんカリエンテじゃないな...
一日家で過ごすのは耐えられず、あてもなく自転車で外出。
自転車でセンター北駅まで行って、ショッピングモールのフードコートで読書。
久しぶりに宮本輝の『海辺の扉』を再読。
- 作者: 宮本輝
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 1992/12
- メディア: 文庫
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妻から離婚をつきつけられ、犯罪者扱いをされて仕事も辞め海外に逃避する。
シンガポールで出会ったギリシャ人の女性と結婚してギリシャでの生活を始める。
経済の破綻した国でまともな仕事もなく、危ない仕事を受けてエーゲ海クルーズに乗り込むが...
10年ぶりにかつての妻から届いたエアメール...
帰国して再び様々な闘いが始まる。
俺たちの幸福は、得ることがなんと困難で、失うことはなんと簡単なことだろう。
それは、ひょっとしたら、俺たち人間が幸福と不幸というものを別々なものとして分けて考えているからではないだろうか。(中略)
もし本当に、親を不幸にするために生まれてくる子供なんかひとりもいないとすれば
(重い障害を持って生れて来た)その子が親に与えたものは何だったのだろう。
その子は、いかなる役割を果たして生を終えたのであろう。そして、晋介は...。
この、おぼつかない人間たち。五分後に理不尽な死に方をするかもしれない、
満員電車の中の人間たち。
お前たちの幸福とは、いつも他のものとの比較によって得る幸福だ。
私のほうが、あいつよりもいい大学を卒業した。私のほうが、あの人よりも大きな家に住んでいる。私のほうが、あの人よりも勉強ができる。私のほうがあの人よりも金持ちだ...。
満典は、ふんと鼻で言って
「そんな小さな幸福感の中で、小さく小さく身を守ってるんだ」とひとりごちた
「どうしたら晋介のことを忘れられるんでしょうね」
満典は、カッターシャツの袖をめくっている根岸の、毛深い腕に目をやったままつぶやいた。
「俺は、忘れろなんて言ったか?人間が、災難や不幸を簡単に忘れることなんて出来ないさ。
ずっと覚えてりゃいいんだ。
だけど、いつか、その不幸を幸福ってものに転換していくのが、つまるところ、生きるってことじゃないのか?
お前の不幸は、永久に不幸のままなんだ。
お前は、何かとてつもない大事なものから逃げている。俺にはそんな気がするね。
その何かとてつもない大事なものが、いったい何なのかは、俺にもわからねェがな」
「不幸を幸福に転換していくのが、生きること」か....
思えば、40代に入って何度も仕事で躓いているのに、何も転換できていない。
「大事なものから逃げている」からなんだな。
きっと...
大事なものとは何なのだろう?
夕刻、自転車でショッピングモールを出ると夕焼けが..
となりのショッピングモールの屋上から空が広く見えるので
自転車を止めて、屋上駐車場へ...
厚い雲の隙間から数分だけ太陽がのぞく
その間だけのつかの間の夕焼け...
太陽の周辺の雲だけがつかの間赤く染まり、そしてすぐに冷めていく。
この太陽は、ギリシャでは今頃中天に昇っている頃だろう。
小説に出てきたエーゲ海の碧い海とモザイクのような白い壁を思い描いてみる。
無数の人々が様々な角度で太陽の光を浴びながら、いろいろな思いで生きている。
自分が逃げている「大事なもの」とは、いったい何なのだろう?
消えゆく最後の光を見上げながら自分に問いかけたが答えは浮かばず..
ただ湿った風が屋上を吹き抜けていった。