マンゴと戦争と貧乏話と...

昨日、沖縄のアサト君から何の前触れもなく
完熟マンゴが一箱届いた。
彼とは去年の10月に東京で会ったきりで
その後連絡もなかったので
どうしたのかな?と思って、お礼の電話..
「明日横浜に行くから、会おう」
と言われ、会社帰りに桜木町で待ち合わせ。
マンゴを送ってくれたのは、急な思いつきらしい..


二人のお嬢さんが、東京の大学を卒業してそのまま東京と神奈川で就職しているので
年に一回か二回は、東京に来ているのだが
今回は、来春高校を卒業する息子さんが、岐阜の航空専門学校に入りたいということで
見学をしてから茅ヶ崎のお嬢さんのところに来たという。
教育費は、半端ではない。
以前にも書いたが、彼とは大学時代に通っていた町工場のアルバイトで知り合い。
30年来の付き合いになる。
桜木町の改札で握手を交わし、いつもはK君と行く餃子の『萬里』へ...
仕事の話しやお子さんの話しから、学生時代の話しになり
彼がほとんど無一文で東京に来て、働きながら夜学の専門学校に行っていた時代
布団も買えずに、隙間風の入るボロアパートで新聞を敷いて押入れで寝ていたこと
カーテンのかわりに窓に新聞を貼っていたことなど...貧乏話しに花が咲く。
沖縄でサイクリングのクラブを立ちあげて、いろいろな活動をしていることや
沖縄の歴史を勉強していることなど...
琉球王国から始まり、薩摩藩の侵略の話しになったり
子供の頃、日本に返還される前の沖縄の話、ベトナム戦争の話しなど
話題はどんどん広がり、酒も進む。
気が付けば閉店時間...紹興酒は二本開けてしまった。


イカリエンテは、今の自分の話をしたくないので、ほとんど聞き役だったが...
生活は大変でも「なんくるないさぁ」という生き方と
とにかくずっと笑みを絶やさない彼の姿を見ていて、心からすごいな~と思う。
横浜駅まで一緒に帰り、かたい握手をして手を振って別れた。
雑踏に消えていく彼の後ろ姿を見ながら「ありがとう」とつぶやいた。