カナダからのメール

川崎駅からタクシーに乗って東に向かう。
このあたりは、海が近づくにしたがって町は色あせ、
次第に鉄錆色の無機質な工場地帯に入っていく。
今日は晴れ渡って、空が蒼いのが唯一の救いだ...
鶴見線の支線の終点大川駅前で降りる。
一日10本、朝夕の通勤時間帯だけしか電車の通らない
屋根と改札だけの粗末な駅舎は
昭和初期の開業から変わっていないのではないかと
思うくらいに古びていている。
イカリエンテが生まれ育った町も、大きな工場の建ち並ぶ、
なんとなく薄暗い雰囲気の町。
高度成長期で、公害の最もひどかった時代だったな...

先日、カナダに住むM氏から久しぶりにメールをいただいた。
三重で仕事をしていた頃に、よく立ち寄っていた藍さんのお店で、
たまたまカナダから一時帰国して、三重を旅していたM氏と出会った。
偶然がいくつも重なったような出会いだったし、それきりで終わってもおかしくないような出会いであった。
旅の出会いとはそんなものだから...
しかし、mixiが縁になってあれから4年経った今も、繋がりは続いている。
頻繁にメールをやりとりするわけでもなく、会うこともままならぬが、それでも続いている。
彼のメッセージには、ムイカリエンテの日記から勇気をもらっているというようなことが書かれてあった。
それは、弱音と泣き言ばかりのムイカリエンテを、敢えて鼓舞するための彼の想いであると受け止めた。
ありがたいことである。
イカリエンテよりも一回りほど若い彼は、カナダに魅せられてそこで生活することを決めた。
ツアーガイドなどの仕事にチャレンジしながら...そして、今年結婚されお子様にも恵まれた。
かれの生活する町をGoogleMapで覗いてみたら、美しい山々に囲まれた素晴らしい場所だった。
こんなところで生活できたら...と誰でも思うだろうが...本当に挑戦できる人はほとんどいないだろう。
お子さんを育てるには、最高の環境だな~と思う。

(GoogleMapより)

前途洋々なのか...前途多難なのか...誰にもわからない。
もしかしたら、同じことなのかもしれない。
「不確実性を抱きしめる」という言葉は、深いな...


以前に比べると減ってしまったが
こんな日記でも毎日約80ものアクセスがある。
多くの眼が自分を見守ってくださっていることに、ただ、感謝...
そして、いつか読む人が幸福を感じられるような言葉を発信できるように、
自分が変わっていかねばならない。