花びらの絨毯

今日はツレの実家に挨拶に行き、
帰宅した後に散歩
近所に見事なさざんかがあるという情報を
TさんのFBの書き込みで知って
見に出かけた。


4mはあろうかという大きなさざんかが、
紅色の美しい花を一斉に開いていた。
そして、その足元には一面の花びらが...
さざんかは椿と違って花びらが一枚一枚散っていくので、
これだけの花が咲いていると花びらの数も半端ではない。
一面に敷き詰められた紅い絨毯が、冬枯れの景色をそこだけ明るく染めていた。




正月2日は晴天だった空が、今日は雲で覆われて、
空に濃淡を作っていたので、あてもなく歩きまわって空の写真を撮る。
辛夷の蕾も、もう大きく膨らんでいる。



夜...年末に図書館から借りてきた野村秋介の獄中句集『銀河蒼茫』を開く。

昂然とゆくべし冬の銀河の夜


ひとり来てまた独りゆく 冬銀河


蒼茫たる冬の夜空をまつすぐゆく


男の悔恨黙しおれども息白し


俺に是非を説くな激しき雪が好き


この雪の打擲耐へて耐へてゆく


寒梅を見し夜の夢に師の寡黙


憤怒とはかくも静けき夜の梅


悲願ありて 寒月光の茣蓙に座す


残雪のこの道明日もゆかんとす


枕には 冬の夜空をつめて寝る


しかし俺はひたすらにゆく冬銀河


激す世の木枯らしが撒く星一


鬼となりて死にたき願い花吹雪


彼の純粋な思いを最も強く感じるのは冬の句である。
右翼思想には賛同できないが、ひとりの男として
自分の決めた道に殉ずる姿勢は凄烈であり魅力的である。
こんな純粋な気持ちで走れたら、どれほど心が晴れることか...


俺に是非を説くな…
青年時代の勢いは、どこに失せたのか…


激しき雪が好き…
激しい吹雪のなかを独りで歩いてみたい