汚れちまった悲しみに.....

早朝に起きて、昨日という日を思い起こし日記を書きとめる。
そして、一日寒い部屋で読書をし音楽を聴いて、自分と向かい合う。
清らかに生きたいと願うのは...
自分が汚れてしまったからかもしれない....きっとそうに違いない。
自信にあふれていた頃は、人の哀しみなど知ることもなく意気揚々と闊歩していた。
そして、我が心は天から地に堕ちて、泥沼に沈み汚れてしまったのだ。

清らかに生きることなんて、無理な願いなのかもしれないな。

汚れちまった悲しみに  中原中也


汚れちまった悲しみに
今日も小雪が降りかかる
汚れちまった悲しみに
今日も風さへ吹きすぎる


汚れちまった悲しみは
たとへば狐の皮裘(かわごろも)
汚れちまった悲しみは
小雪のかかつてちぢこまる


汚れちまった悲しみは
なにのぞむなくねがうなく
汚れちまった悲しみは
倦怠のうちに死を夢む


汚れちまった悲しみに
いたいたしくも怖気づき
汚れちまった悲しみに
なすところなく日は暮れる....

なすところなく 生きている。
なすところなく 涙が流れる。

今日の日没


『私を泣かせてください』
ヘンデル作曲 オペラ『りナルド』より

なんとよるべなく美しい歌だろう。