人生で最も世話になった友人といえば
間違えなくタッキーということになる。
2001年に名古屋でやった仕事で出会い
12年の付き合いになる。
直接仕事上でも、ずいぶんと世話になったし
個人的にも、苦しいときにいつも助けてくれた。
リストラや会社の経営破綻など
失業をするたびに、仕事を回してもらったり
アルバイトをさせてもらったり...
どれほど助けてもらったか数えきれないし、
事あるごとに一緒に飲んで
どれだけ励まされたかわからない。
ムイカリエンテを助けるために、どれほど損をさせてしまったか...
自分の傷を全く厭わずに、自分の周囲の人を守りきる。
家族に対しても、社員に対しても、友人に対しても...
こんなに情に篤い男は、ムイカリエンテの知りうる限りではほかにいない。
姓がたまたま同じということもあって、初めてあったときから「おにいちゃん」と呼んでくれているが
年齢が少し上なだけで、なにひとつ世話をすることもできず、迷惑のかけどおしである。
今の仕事に就いてから、仕事上の接点もほとんどなくなってしまい
たまに電話で話すだけで、会うこともなくなってしまった。
先週突然メールをもらい、今日横浜の現場に来るついでに横浜で泊まって会うことになった。
日記を検索したら、会うのは約2年ぶり。
野毛の安い飲み屋で飲もうと思ったが
会社が決算で、去年の倍の利益が出たので、お金を使わなければならないから...ということで
ホテルの近くにあった馬車道「瀬里奈」に入る。
みなとみらいの見えるカウンターで、ワインを飲みながら神戸牛コースをいただく。
美味い！
積もる話しをしながら、美味しい料理をおなかいっぱいいただく。
家族の話 会社の話...彼の家族も社員も、皆知っているので...
迷惑の借りは返せないままなのだが
会社が堅実に伸びていることが、何よりも嬉しかった。
それは、タッキーの人柄によるところが大きいし、
大変な仕事も全部引き受け、自ら大変な現場に飛び込み、社員を励まし社員を育てながら闘ってきた結果だ。
努力した人が成功していく姿を見ることは、実に清々しい。
先日観た映画『草原の椅子』のなかで、
西村和彦演じる、たたき上げのカメラ店社長富樫が
「人情のかけらもないものは、どんなに理屈が通っていても正義ではない」
とつぶやく場面がある。
生きる上で「情」というものがどれほど大事なものか
タッキーを見ていると痛いほど感じる。
もちろん「情」だけではない。「勇気」も「忍耐」も...人間として大切なものを持っている。
自分にも「情」はあるかもしかもしれないが… 否、感傷かもしれない…
(この情と感傷は、全く別物だ)
大事なものが欠落しているのだ。
人生とは極めて真面目な芝居であり、
出来るだけ上手に芝居しようとする努力が人生そのものだと言えよう。
俳優は勿論、見物もこの努力に参加している。
上手に演じようとする俳優の技術は、上手に見ようという見物の技術と同じ性質である。
名優と見巧者とは、完全に協力している。お互いに相手によって己を律している。
相手のうちに己の鏡を見て楽しむ。
人生の友愛は、そういう交わりを重ねる以外、何処に生まれ得ようか。
小林秀雄『或る夜の感想』
共有する時間がほとんどなくなってしまったから、
知らないことのほうが多いのだが…
何事にも一生懸命に、汗を流して悪戦苦闘している彼の姿が好きだ。
生命というものの美しさを感じるからだ
その姿を思い浮かべるとき、自分の中にも力がわいてくるように思う
2軒目は、「papajhon」に行こうと思い、野毛に移動したが、あいにくお休み。
ぶらぶらと歩いて、近くのバーに入る。
タッキーはバーボン ムイカリエンテはスコッチで、乾杯。
タッキーの愛車、クラシックベンツの話しをしていると...
他に客もいなかったので、バーテンも話しに加わる。
ムイカリエンテは、車にはまったく興味もないので...
バーテンは、若いころポルシェの神様と呼ばれた加藤等氏の会社で営業をしていたという。
で、ポルシェの話題になり... （ついてゆけないのだが...）
加藤氏は、アイルトン・セナが、どうやってもプロストに勝てなかった時に
メカニックのアドバイスをして、セナを初めて勝たせたという人らしく
そんな日本人がいたんだと感心する。
(ポルシェの神様 と検索すると、批判的な記事ばかり出てくるが、
このての傍観者たちの書き込みには、うんざりする)
たまたまイチゲンで入ったバーで、タッキーの好きな車の話しになってよかった...
好きなタバコを1年前にきっぱり止めて、健康的な生活をしている彼は、普段10時には寝るらしく
早めに切り上げて、桜木町のタクシー乗り場で別れる。
久しぶりに会えて、本当に楽しかった。
タッキーありがとう。
そして、美味しい料理とお酒...ごちそうさまでした。
健康第一に、商売も益々繁盛しますように
祈ってます。
