雨に濡れて...

昨夜の酒が抜けないまま目が覚めた。
ご近所のMさんと不意に連絡をとり
帰りに駅前の居酒屋で飲んだ。
角瓶を一本飲みきった。
最近、量を飲まないと酔えない。コスパ悪し


寒い朝...今年は桜が咲いてから寒い日が続いているせいで、思いのほか桜が散らずにもっている。
今日はどこに行こうかなと考えているうちに、かたくりもそろそろだなと思い、城山へ...
ここは、日本でも有数のカタクリ群生地である。
去年は晴天で、山一面に咲き誇った紫色の花が見事だった
(去年のアルバム ... 花の種類はこちらのアルバムの方が多いです↓
 https://plus.google.com/photos/104915518421068648185/albums/5725895008098868113?banner=pwa


かたくりの里は、そこだけ霧のような細かい雨に包まれていた。
柔らかな土を踏みしめて、静かな山道を上っていく。
かたくりは、晴天の日には花びらを天に向けて反らせるように咲くが、
今日のような天気の日には、少しだけ開いたままうなだれている。
雪割草やイチゲなどの小さな草花も冷たい雨に打たれて、身を縮めている。

日本カタクリの蕾

珍しいキバナカタクリ これは初めて見た。

大岩ウチワ


涙をためてうなだれている花々の健気な姿に、
かえって生命というものの美しさ強さを感じる。
冷たい雨に打たれても、生きなければならない。
その雨は、生命を潤し生命を輝かせる源であるのだから...





みんなで希望をとりもどして涙をぬぐって働かう
忘れがたい悲しみは忘れがたいままにしておかう
苦しい心は苦しいままに
けれどもその心を今日は一日寛がう
(中略)

楽しい春の日はなほ遠く
冬の日は暗い谷間をうなだれて歩みつづける
今日はまだわれらの暦は快適な季節に遠く
小鳥の歌は氷のかげに沈黙し
田野も霜にうら枯れて
空にはさびしい風の声が叫んでゐる
(中略)

かたい小さな草花の蕾は
地面の底のくら闇からしづかに生まれ出ようとする
かたくとざされた死と沈黙の氷の底から
希望は一心に働く者の呼声にこたへて
それは新しい帆布をかかげて
明日の水平線にあらはれる
ああその遠くから来るものを信じよう
みんなでつつましく心をあつめて信じよう
みんなで希望をとりもどして涙をぬぐって働かう
          三好達治『涙をぬぐって働かう』

おまけ
その他の写真 → https://plus.google.com/photos/104915518421068648185/albums/5861176530670857937?banner=pwa