昼寝

夕暮れの潮風が、髪を撫で、頬を撫で、街の方へと流れていった。
ヨットハーバーのある海辺の公園...
桜並木の下のベンチに寝そべっていて、いつのまにか眠りに落ちていた。
シロツメクサの草原で遊ぶ子供たちの声で目が覚めた。
子供の頃、母が公園でよくシロツメクサの冠を作ってくれたな。
そんな記憶が母の膝枕で眠ったような心地にさせてくれたのかもしれない。
ほんの一瞬だったようだが、深くそしてしあわせな眠りだった。


早朝に横浜を出て、大阪まで走ってきた。
客先での仕事を終えると、不意に海が見たくなって
西宮のヨットハーバーまで来たのだった。

ベンチから起き上がって、海辺を歩くうちに
雲の隙間から一瞬のぞいた夕陽は、東の空をほんのり染めて沈んでいった。





大阪・神戸には宿がとれず、京都へ...
久しぶりの京都の夜...
旧いものと新しいものが雑然と入り混じる京都の街は
夜のほうが落ち着く気がする。歳のせいかな...


あまり食欲もなく… 何度か行った居酒屋も閉まっていたので、
通りすがりのワインバーで、旨くもない料理を肴に、ウィスキーを一杯…


ホテルに帰ると、そのままベッドに潜り込んだ。