紀伊半島半周の旅-2日目

何故紀伊半島を回ろうと思ったか...
きっかけは、宮本輝氏の小説
『森のなかの海』を読み返したことに
はじまる。
阪神大震災で、多くの大事なものを
失った人たちの蘇生の物語...
といってしまうと平板になってしまうが、
実に深く美しく、心に沁み入る小説である。
東北大震災の後、思い出して読み返した。
読みながら、自分の中で何かが大きく変わっていった。
自分が蘇生していくのを実感した。
物語の舞台は奥飛騨がメインであるが、後半は吉野に移る。
吉野の近くにある天川(てんかわ)村の情景が小説の中に豊かな表現力をもって描かれている。
その文章を読んだときに、「ここに行ってみたい」と思った。
宮本輝氏は、当然ここを訪れて何か大きなものを感じて小説に登場させたのだと思う。
彼の小説の舞台になったであろう土地には何か所か行っているが、
今回も、その何かを感じたいと思って旅に出たわけである。


前置きが長くなった。
熊野の海岸は長い砂浜ならぬ砂利の浜である。
波が打ち寄せるたびに、砂利の崩れる音がする。
誰もいない海で、三脚を立てて自分撮り。

海から昇る旭日が見たくて、4時前に起床。
4:40の日の出に間に合うように宿を出る。
が...天気予報どおりの曇り空...東の空が一瞬だけ赤く染まって、すぐにさめた。


そして那智の海岸を歩いて散策し、熊野古道でも有名な大門坂へ...
駐車場から歩いて5分で、熊野古道の雰囲気がわかる、安易な人向けの道。
大きな杉や楠が沿道にどーんと立っている。

そして、坂を上って那智の滝
滝は皆の財産なのに、一番良いアングルの撮影スポットは神社が勝手に柵をして
参詣料を払わないと入れない。
柵の外から何枚も写真を撮って、中には入らず。


いよいよ、熊野川沿いに山中への道を入っていく。
紀伊半島の背骨にあたる、一番高い場所を通って吉野へ続く道...
その途上に天川村はある。
ひたすら山の中を走る、長い長い道のり。
昨日は海岸沿いだったが、今日はひたすら山の中。
車1台やっと通れる幅の道..アップダウンときついカーブの連続...こういう道の運転は好きなのだが...
森に囲まれた道には新緑に覆われていて、道のわきには川が流れている。
時々車を停めて、自然を満喫する。

川は、場所によってその表情を大きく変えていく。


山が急斜面なので、滝は数え切れないくらいある。


そして、その透明度は非常に高く、かなり深いところでも川底まで完全に見える。

(動画は、ダブルクリックすると、少し大きいサイズでご覧いただけます)
ドライブしているだけで、心が浄化され、癒されていくのがわかる。
今回は、時間が限られているが、いずれじっくりと時間をかけて来たい場所だ。


16時に吉野の旅館着。一泊三千円也。
暗くなるまで時間がもったいないので、五條市の町並みを散策しに行き...


吉野山にも上って一回り。さすがに桜の本数が凄まじい。
桜の時期は、圧巻なのだろうな...


スーパーで、惣菜とアルコールを買って宿に帰り、食事を済ませて早々に寝る。
今日も300km近く走った。

A:宿 B:七里御浜 C:那智勝浦海岸 D:大門坂 E:飛雪の滝 F:瀞峡 
G:天川村 H:大淀町 I:五條 J:吉野山 K:宿


WEBアルバム アップしました↓
https://picasaweb.google.com/muycaliente.ueno/201161416