人間の覚悟

理性ではわかっているつもりでも、心が言うことをきかない。
朝からやるせない気持ちに苛まれ...どうしようもなくなってしまったので、
寝る前に飲む薬を朝から飲んで、一日部屋に閉じ籠って寝ることにした。
都合のよいことに、誰からも電話は来ないし、メールも就職サイトのメルマガのみ..
休んでいる場合ではないが、たまにはこうして休んだほうがいいかもしれない..

 

6時間ほど眠って、夕方眼が覚める。少しすっきりした。
今日は就職のことも考えないことにして、自転車で図書館へ...
昨日返した本のうち、全く読めなかった2冊を再び借りて、読み始める。

  人間の勝利     山村暮鳥


  人間はみな苦しんでゐる
  何がそんなに君達を苦しめるのか
  しつかりしろ
  人間の強さにあれ
  人間の強さに生きろ
  くるしいか
  くるしめ
  それがわれわれを立派にする
  みろ山頂の松の古木を
  その梢が烈風を切っゐるところを
  その音の痛痛しさ
  その音が人間を力づける
  人間の肉に喰いひるその音のいみじさ
  何が君達を苦しめるのか
  自分も斯うしてくるしんでゐるのだ
  くるしみを喜べ
  人間の強さに立て
  恥辱(はじ)を知れ
  そして倒れる時がきたらば
  ほほゑんでたほれろ
  人間の強さをみせて倒れろ
  一切をありのままにぢつと凝視(みつ)めて
  大木のやうに倒れろ
  これでもか
  これでもかと
  重いくるしみ
  重いのが何であるか
  息絶えるとも否と言へ
  頑固であれ
  それでこそ人間だ

昨日読んだ『手』と同じ詩人が書いたとは思えぬ力強さ
極めて単純で簡単な言葉の羅列にすぎないが、心の底からわき上がるような覚悟がある。
逃げられないのだ...覚悟するしかないのだな。
人間として立派に生き、そして死ぬために...自分の宿命を、全部引き受けるしかないのだ。
微笑んで倒れる時まで...
浅知恵で、いくら悩んで考えてみたところで、なるようにしかならないさ。
明日からまた闘おう。