南紀白浜の夜

和歌山の仕事が急に決まり、
土日をかけて和歌山の客先を車で縦断。
春の早い南紀では、桜は既に散り始め
いたるところで桜吹雪が舞っている。
山の木々は、一斉に芽吹いて若葉色に染まっている。


風景を楽しむ暇もなく車を飛ばす。
海に沈む夕陽だけでも見たいと思い、タイミングを合わせて砂浜に出たが
雲が広がって見ることができず...
砂浜に咲く花を撮り、さらに走る...


紀伊田辺の定食屋で軽い夕食を済ませ、千畳敷海岸に着いたのは、九時をすこし過ぎたころだった。
(前回の訪問は→→→ http://d.hatena.ne.jp/mui_caliente/20091010
駐車場は外灯もなく、足元から海に連なる広大な砂岩の岩盤は、闇の中で静かに横たわっている。
漆黒の海からは、時折不規則に白い波頭が浮かび上がっては打ち寄せ、そして弾ける。


岩の上に腰をおろし、巨大なスクリーンに広がる景色をただ呆然と見渡す。
闇の中で海と空の境界線もよく見えず...
見上げれば満天の星...時間が経つにつれて星が増え、海に降り注いでいるようにさえ見える。
流れ星も長く尾を引きながら海へ消えていく。

北斗七星↓


宇宙の空間に浮かび上がったような感覚。
闇の底から、ただ海なりだけが響いている。
この宇宙の営みに比べたら、人間とはなんと小さな存在だろう。
風が強く吹いている。海は轟々と鳴っている。