本屋で立ち読みしていて、たまたま見つけた本。新幹線で一気に読む。
世界最古の会社は、実は日本にあったというくだりから始まる。
西暦578年から続く、創業1400年の会社「金剛組」という建築会社
1300年の北陸の旅館・1200年の京都の和菓子屋・1000年の薬局...
創業100年以上の会社が、日本には10万社以上もあるという。
その中でも手仕事の家業や製造業がずばぬけて多い。
この国のビジネスマンの大多数は、各自の持ち場で"職人"を目指しているようなところがある。
もっとも経営者や管理職には、「徳川家康に学ぶ人心掌握術」の類の"サムライ"志向が強いらしいが
普通の日本人は"サムライ"よりも"職人"のほうが好きだ。
いや、それどころか"天才"よりも"職人"を好むとさえ言ってもいい。
「職人気質」は、その愛すべき偏屈さを含みこんだうえでの賛辞だし、
職人の技を極めた者は「名人」として、最大級の敬意を払われてきた。
(中略)
小山田氏(富士大学学長)は、(『世界を支える日本の技術』の中で)
「鎌倉時代以降天下を握った武士たちが農民の出身だった」ため、
「大名を含めて身体を動かして働くことは当然のことと考えていた」とし、
これが「今日の日本人の技術を大切にし育てる思想の根底になっていた」と推量している。
源頼朝は若宮大路造成工事を指揮し、北条時政が土石を運んだ。
安土桃山時代の武将細川幽斎は料理の名人、子息の細川三斎も兜作りの名工
後鳥羽上皇は自ら刀を打ち、加藤清正は築城の専門家として熊本城名古屋城を手がけた。
この職人気質が、この国の仕事の根底になっている。
中国の皇帝が、建設の指揮を執るなんてことはありえないのである。
気の遠くなるような長い年月の間に、技は代々にわたって受け継がれ
ぶれることなく老舗の暖簾を守ってきたのである。
本題はここから、実はこの職人大国日本の老舗の技術が
最先端技術に欠かせない条件になっているという。
実に興味深い本である。
長くなるので、この先は追ってBLOGで紹介したい。
職人の生き方は、静かで熱い...ムイカリエンテの道に通ずるところがあるな〜