- 作者: ゲーテ,手塚富雄
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 1974/10/10
- メディア: 文庫
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本棚から引っ張り出して読み返す。
20年も前に引いた傍線がなつかしくよみがえる。
呑気に安楽椅子に寝そべるようになったら
おれはおしまいだ。
うかうかと甘い言葉に乗せられて、
ぬくぬくとおれがいい気になって収まりかえるなら、
そして、欺されて快楽の夢に酔いしれるなら、
もうおれの最後の日だといっていい
おれもちいさくかたまって、幸福になろうなどと思っていない。
戦慄は人間の最も深い精神の部分だ
いくら世間が戦慄を忘れさせ、人間を無感動な生きものにしようとも
戦慄に打たれた人間でこそ、とほうもないものを深く感じることができるのだ
会社で三重の責任者をしていた方が退職し、その代理を勤めながら
これまでの仕事もこなしている。
仕事がさらに2倍も増えて、体も頭もへとへとである。
技術的な思考、人の管理と調和、組織の発展...
客先の担当者との交渉 社内の交渉
考えなければならないこと、動かなければならないこと、語らなければならないこと
仕事は無限に思える。
一人一人の人生の充実と幸福を願わなければ、指揮者は勤まらない。
成長しよう!戦おう!
戦慄という感覚を忘れてはならないのだ!
安楽な人生を望むようになったら、俺はおしまいだ。
そう言い聞かせて、また仕事にのぞもうと決意した。