バレンタインの思い出

それは中学2年生の時だった。
「初めてのバレンタイン」
バレンタインもいまのように商業化されておらず
ひそかなブームが始まった当初
僕は、初めてのマジチョコをもらった。
今でも、その情景は心の中に
映画の1シーンのように残っている。
当時の僕は、硬派の剣道少年で
男子たるもの自ら女子に近づくべからず
と思っていた時期で...
ちょうど30年前の2月14日
部活帰りの下駄箱に、かわいい包みが置いてあった。
一級下のバスケット部のYさん
顔も知らない女の子だった。
翌日、彼女の友達が僕を尋ねてきて
教室まで連れていかれ、その時初めて彼女の顔を知った。
色白で頬の赤いかわいい女の子だった。しかし中学生が交際をするなんて考えられなかった僕は
彼女に誠意をこめて
長文の手紙を書いて交際を断った。
毎年、バレンタインが来るたびに
あの初々しい彼女の顔を思い出す。
懐かしいな〜
今頃どうしてるかな?
そんなノスタルジーに浸っている自分は
歳をとったことを自覚してしまう。