キキョーヤ テレビロケ

朝から車を飛ばして小諸へ...
パン工房「キキョーヤ」では、たまたまテレビ取材が入っていた。
販売先のロケに出ていく店長のHanaさんを見送り、
揚げたてのカツサンドをいただく。
イートイン用で、少し赤みの残った揚げ方...やわらかくて美味しい。
パン屋さんで、ここまで気を配ってくれるのもすごい。

  (カツサンドの後ろにある黄色いコスモスの写真は、ムイカリエンテ撮影)

オーナーも店長も出かけてしまった後、
いつも店長に遠慮してか、話をしたことのない看板娘Sちゃんが話しかけてくる。
色白で笑顔がチャーミングな19歳...
イカリエンテの写真がお店に飾ってあるのを見ていて、写真に興味があるらしく
食事をしながら、過去に撮った写真をスマホで見せながら、話に花がさく。


仕事を終えて、再びお土産を買うために立ち寄ると
Hanaさんも帰ってきていて、いろいろとお話しをさせてもらう。
レポーターとして来ていた、有名なお笑い芸人が帰りの挨拶で店に入ってくると
Hanaさんが「いつも、横浜から来てくださるお客さんです」と紹介してくれる。
テレビでは、ちゃらいキャラで売っているが、実際には礼儀正しくて爽やかな青年だった。

Hanaさんと出会ったのは、仕事で偶然通りかかった佐久で見かけたパン屋さんが
翌週の「ケンミンショー」という番組に出たので
その次の訪問時に立ち寄って、話しかけたところからなので、もう3年ちかくなる。
(その時の日記↓
  http://d.hatena.ne.jp/mui_caliente/20110909


小諸のお客さんとは取引が成立し、それ以来3か月に一度くらいのペースで通うようになり
そのたびにキキョーヤに来て、Hanaさんとの交流も続いてきた。


創業99年...3代目のお嫁さんとしてここに来た。
パン屋の仕事は、早朝3時には始まる大変な仕事である。
創業以来の味を守りながらも、若い人たちにも喜ばれるように新製品を次々に作っていく。
地元で愛され、周辺の高校やスーパーでもパンを販売している。
毎日1000個以上のパンを焼く...
パンの仕込みから、店売りの接客・各所への配送・現地販売・新製品の試作...
ご夫婦+2人ですべてこなす。
そして、彼女には、まだ幼いお子さんたちの子育て、家事...そして帳簿つけ...
想像するだけで気が遠くなるような忙しさ...


ここに全国ネットのテレビ放映が入れば、さらに殺人的な忙しさになるのは目に見える。
全国からの問い合わせ...手間のかかる発送作業...支払決済だって、店売りのようにいかない。
若いからといって、睡眠が極度に少なくなることは身体にも悪い。


朝からの撮影が一段落して、お店に出てきて
自分の前で、一度も椅子に座ったことのない彼女が、へたるように椅子に腰をおろし
窓の外の景色に目をやりながら、小さく吐いたため息が、まだ若い彼女の横顔を、大人の女性に見せた。


否...様々な苦労を乗り越えて、人間としてずいぶんと成長されたのだろう。
闘い続ける人間の顔は、歳月とともに美しくなっていくのだ。


体力の極限まで働く彼女に、頑張ってとは言えず
ただ、車の運転だけは注意するようにと言って、店を後にした。



テレビ放映は、6月29日(日) 18:55 テレビ朝日系列 『シルシルミシルさんデー』です。




(帰り道に、もう一つの出会いがあったが、長くなるので次の日記で...)