染料植物園

一週間の最後は、高崎出張
午後からの仕事だったが、
2時間程早めに高崎到着。


昨日、ネットで高崎のことを見ていて
高崎市染料植物園なるものの存在を知る。
草木染にする植物を、実際に見れるという植物園。
先日、三重の藍さんのところに行って、
藍染や茜・ヨモギなど数点を見せていただいたが
実際にどれほどの草木が染物に使われているのか知識はない。


それで、早めに行ってレンタカーを借り、
高崎駅から数キロの植物園に行ってみる。


植物園は、資料館に入れば200円かかるが、駐車場も公園も無料。
資料館で行われていた「姫君の愛した着物たち」という展示と、染色した糸の見本などを丹念に見てまわり
それから公園を歩く。
古代から使われていた植物に始まり、時代を追って順に見れるように、
草木染めに使われている植物ばかりが植えられている。
その数、百種類以上
それぞれに、そこからとれる色の見本も掲げられている。


説明を読まなければ、ただの草木にしか見えないが
そこから採取される枝葉や根などによってできる色のバリエーションには驚くばかりである。
そして、色の名前の多さにも...日本人の感性のこまやかさがあらわれているな。
赤橡色・利休鼠色・黄海松色・藤色煤竹色・赤鳶色・錆金茶色・鶸色・代赭色....
色の名前を見ても、実際の色は浮かばないが、昔の人のボキャブラリーがいかに優れていたことか...



写真はほんの一部
品種  使用部位   色(媒染料)

ユスラウメ 枝葉 赤肌色(灰汁)  黄樺色(スズ)  藤色煤竹色(鉄と灰汁)

サルスベリ 枝葉 黄茶色(灰汁)  黄海松茶色(銅)  黒色(鉄)

ウメ    幹剤 梅染(アルミ)  赤梅(銅)   鳩羽鼡(鉄)

リュウキュウアイ  葉   水縹色(生葉)   紫浅葱(煮藍染

ネムノキ  葉   菜花色(アルミ)   海松色(鉄)   青葉色(銅)

ザクロ   果皮  黄色(アルミ)   錆金茶色(銅)   焦茶色(鉄と灰汁)

ハマナス  茎葉  唐茶色(灰汁)   鳶色(銅)   黒鳶色(鉄と灰汁)

オウレン  根茎  黄色(酸)   濃黄色(灰汁)   金色(銅)

ソヨゴ  葉  薄赤色(灰汁)   紅桧皮色(アルミ)   小豆色(銅)

ヤマハゼ  紅葉  黄土色(灰汁)   橡色(銅)   葡萄鼡色(銅)

ホオノキ  葉   萱色(アルミ)  薄茶色(銅)  樹皮  茶鼡色(鉄)



こんなページもありました → 草木染色見本


実習室の外には、できあがった反物が、天日の下で風に揺れていた。