カナダからのメッセージ

三重に滞在していたころに、二見の藍織成さんという織物の店で、その青年と出会った。
もう1年以上前のことである。
一瞬でもタイミングがずれたら、絶対に出会うことはなかったし
そんなひと時の出会いなど、それきり終わってしまうことがほとんどである。
彼は、カナダのロッキー山脈の山間の町でツアーガイドをやっており、
その時は、たまたま帰国して旅行している最中だったし、
イカリエンテは、仕事が終わってたまたま立ち寄ったところであった。
お店の中から藍さんが「こんにちは」とよく通る声で呼びかけられてお店に入ってきた。
イカリエンテも、そうやって藍さんに呼び止められたのだが...
そこで話したのは20分もなかったかもしれない。
その後mixiを通じて、数回メッセージをやりとりした程度だったが...


今日、彼から近況を知らせるメッセージをいただいた。
世界を旅して、この場所で落ち着いて6年になるという。
そこには、青年らしい夢と不安の入り混じった若々しい言葉が綴られていた。
若いとは、なんと素晴らしいことなのだろう。
自分が若い時には気がつかなかったことが、今こうして青年に相対すると、そう思えてしかたない。
悩みなどあってあたりまえなのだ。成長の過程であるからこそ...
前方を見つめる澄んだ瞳、身体にみなぎる闘志。
視線が下を向き、停滞が始まったときに老いは来る。
惰性を排して、昨日の自分を超えゆく挑戦こそが若さの象徴なのだ。
青年らしい青年と対話ができることほど嬉しいことはない。
誠意をもってご返事を書かせてもらう。


書きながら、自分は今どうなのか問いかける。
視線はきちんと前を向いているのか?今日の自分を明日は越えていく闘志はあるのか?
思うに任せぬことばかりだけれど、決して焦らず諦めず
闘う日々でありたい。