成人式

出張生活は三重で慣れていたはずだが..
2年間のブランクがあったので
まだ体がついていかない。
しかも、先週末は大学の用事やら
友だちの付き合いやら、会合などで
忙殺されて、気がついたら滋賀に来ていた。
時差ぼけはないけれど、温度差がきつい
彦根以北は、今週もずっと雪の予報である。


昨日は成人式。
街に出ると、華やかな着物やスーツの群れが流れていく。
皆幼く見えるのは自分が歳をとったせいかもしれないが....
服装に見合った気品は、残念ながらほとんど感じられない。
かといって、初々しさもないのはなぜだろうか...?
凛々しい青年もいないわけではない。
たまたまムイカリエンテがお会いした知り合いのご子息は、しっかりした顔をされていた。人格は顔に出る。
彼と会うのは2回目であるが...ご両親の姿を見れば、その理由はなんとなく理解できる。


今、何度めかの竜馬ブームだそうである...作られたブームではあるが..
イカリエンテも青年時代に胸を躍らせながら「竜馬がゆく」を読んだものだ。
あの日本の大転換に命がけで走ったのは皆青年であった。
正義を求め、師を求め、同志を求めて...動き、語り、闘った青年たちに憧れた。
現実は厳しくとも、生き方を学び求めるだけでも、心の中にその痕跡は残っている。


坂本竜馬に熱くなっているのは、きっとおじさんおばさん(福山ファンを含むが...)であって、
成人式に向かうこの青年たちの中には、ほとんどいないような気がする。名前さえ知らないのでは..?
物が溢れ、金にも困らず...物質主義が蔓延して社会全体が病んで久しい。
しかも、その病は治癒することはなく、重くなっていく一方である。
皆、窒息しそうな閉塞感の中で不満と不安を抱えながら生きている。


何度かこの日記でも紹介してきたが、いつもこの一節を思い出す。
ベートーヴェンの生涯 (岩波文庫)

空気は我々の周りに重い。
旧い西欧は、毒された重苦しい雰囲気の中で麻痺する。
偉大さのない物質主義が、人々の考えにのしかかり
諸政府と諸個人の行為を束縛する。
世界が、その分別臭くてさもしい利己主義に浸って窒息し死にかかっている。
世界の息が詰まる。
もう一度窓を開けよう!広い大気を流れ込ませよう!
英雄たちの息吹を吸おうではないか

偉大な人物 偉大な思想を求めていかねば...時代を開くことはできない。
斯く言うムイカリエンテも、最近多忙にかまけて読書がおろそかになっているのを、今反省しながら書いている。


おまけ...
日記をさぼっていた間もよく飲みよく食べたので、写真だけ...
ちょっと飲みすぎ...反省してます。