川面に揺れる桜

明日の朝から富山で仕事のため
午後から会社を出て富山に向かう。


越後湯沢から十日町にかけては
未だ厚い雪が残っているが、
陽射しは春めいてきている。
いつしか眠ってしまい、ふと目が覚めると
電車は直江津を過ぎて、海岸沿いを走っていた。


夕陽が海に落ちていく
トンネルが多く、海岸沿いの建物も多くて、海と太陽だけの絵はほとんど見えないが...
人工物のシルエットもそれなりにいいかな...


富山に着いて、ホテルにチェックインする前に富山環水公園へ...
FB友だちKさんから日本一眺めのいいスタバがあるとの情報をいただき、「日本一 スタバ」で検索して...
駅から歩いて7分ほど...
目の前に現れたのは巨大な池とライトアップされた大きな橋...そして水のほとりのスタバ...
そして両岸には桜並木  贅沢なスタバだ...


池を一周して、コーヒーは飲まずにホテルへ...


チェックインしてから、いつもの居酒屋「とんぺい」に行って、カウンターで一杯
旬のホタルイカと菜の花をいただきながら、ハイボール泡盛を飲む。
いい具合に酔ってホテルに戻ると、近くの交差点にライトアップされた桜が
建物の脇から一本だけ見える。
夜桜見物もいいかなと思って、ふらふらと歩いていく...
その桜のある角を曲がって、思わずひとりで「わぁ~」っと声を出してしまう。
延々と続くまっすぐな桜並木が夜空の下に浮き上がって見えた。


ここは、富山城址の脇を流れる松川
元々は神通川の本流であったが、氾濫が多かったために改修されたという。
この直線の川に500本の桜が植えられている。


しかし、人が少ない...
目黒川の歩けないくらいの人出が嘘のように人がいない。
数百メートルの桜並木を歩いていって、
桜を見ている人は50人もいたかどうか...


人のまばらな、静かな桜並木を見上げながら
川べりの歩道をゆっくりと歩く。
ときおり吹く風に桜の枝が揺れる。
川面に映る桜が水のゆらめきに揺れる。
なんという美しさだろう...
なんという静けさだろう...


横浜の桜は散ってしまったから、これが今年の桜の見納めだな
並木の途中にあったベンチに腰かけて、二つの桜を見下ろして
梶井基次郎の文章を思いながら、茂木健一郎氏の思索を反芻しながら
胸のなかで何かが動いた気がした。

(過去の日記..桜の思索 http://d.hatena.ne.jp/mui_caliente/20111223


おまけ  松川の桜アルバム