戦場写真

午後から出かけて、横浜美術館へ...
ロバート・キャパ/ゲルタ・タロー 二人の写真家」





説明は、HPの抜粋で...↓

世界で最も著名な写真家のひとり、
ロバート・キャパ」ことアンドレフリードマン(1913年生/1954年没)
が生まれて今年で一世紀が経ちます。しかしこの「ロバート・キャパ」という名が、
当初フリードマンとドイツ人女性ゲルダ・タロー(本名ゲルタ・ポホリレ、1910年生/1937年没)
の二人によって創り出された架空の写真家であったという事実は、あまり知られていません。
1934年にパリで出会い意気投合した二人は、
1936年春に「ロバート・キャパ」という架空の名を使って報道写真の撮影と売り込みをはじめます。
仕事が軌道に乗りはじめてほどなく、フリードマン自身が「キャパ」に取ってかわり、
タローも写真家として自立していきますが、その矢先の1937年、
タローはスペイン内戦の取材中に命を落とします。タローの存在とその死は、
キャパのその後の活動にも大きな影響をおよぼしたといわれています。
http://www.yaf.or.jp/yma/jiu/2012/capataro/

なぜ二人は命をかけて戦場に行ったのか?
それは、人間の最も愚かな行為である戦争の悲惨さを世界に発信するためだった...
 

宝塚歌劇が、この二人を題材にした舞台のなかで、こんな会話の部分がある。

「ゲルタ、いつかきっとおれは失業するよ」
「失業?」
「ああ、この世からすべての戦争が終わること...戦場カメラマンとしての失業だ。
 そうしたら結婚しよう。二人でパリに小さな写真館を開くんだ。
 そして子供たちの笑顔をたくさん撮ろう」
  バウ・ミュージカル「ロバート・キャパ魂の記録」より

戦争の世紀... 人間は、どうしてこんなにも愚かなことを繰り返してきたのだろう...
愚かなリーダーによって、「祖国のため」「民族のため」と言われ
大事な人と別れて死地に送り込まれる人々...
その中で生きる人々...死んでいった人々を、撮り続けた記録。
戦争は人間を人間として扱わない。
しかし、キャパの写真は一人の人格をもったかけがえのない人間としてとらえる。


そんななかで、釘付けになった写真がある。
アメリカ軍兵士と彼の部隊が養子にした戦争孤児たち」

<写真 ロバート・キャパジャーナルより引用>



単なる記録ではない...悲惨な戦争のなかでも生きる人たちの物語がここにある。
子供たちを慈しむ兵士の視線...
親を失った悲しみを超えて前に向かおうとする子どもたち
人間と人間の姿をとらえた一瞬。


ゲルタは、スペイン内戦の戦場で死に
キャパは、ベトナム戦争の戦場で死んだ
そして、戦争は未だ世界各地で続いている。


戦場カメラマンは、今もその戦場で命がけの撮影をしている。
昨年は女性カメラマンがシリアで撃たれたし、それ以前にも何人もの人が亡くなっている。
それでも伝えたい... キャパの精神が彼らのなかにもあるのだろうな。
いつか、彼らが失業する日は来るのだろうか...
その日が来ることを祈ろう!


重い写真を見続けて、少し疲れたので、海を見ながらビールを一杯。