春を迎えに...

待ちわびた春が、遠慮がちに
手の届くところまでやってきた。
待ち続けても、待ちこがれても
どうにもならないことばかりだけれど
自然のリズムは裏切らない。
待たねばならないけれど、
待てばきちんと巡ってくる。
待ち遠しいと思うのは、春くらいのものだけれど...


身をかがめているのがつらくなって、
春を待ちきれず、春を迎えに出かける。


早春の花々が好きだ。
雪割草・福寿草・節分草...
未だ冬の冷気が残るなか、春の陽射しをいち早く感じて、
暖かくなる日を待ちきれず...
あるいは冷たい土を破って...あるいは落ち葉の下から...
顔を出す、けなげな花々

スノードロップ

福寿草

セツブンソウ


色のない大地に、彩をそえる小さな命
地から湧きだした小人のようだ。
その姿を目にすると、冷たく沈んでいた心に
小さな花が咲いたような気分になる。


蝋梅は、うつむいたような小さな黄色い花を咲かせる。
決して美人とは言えないけれど、群れ咲く姿は詩人のようだ。
蝋のような艶が陽射しの角度によって、妖艶にひかる。
エキゾチックな香りが甘く漂う。

抜けるような青空に、飛行機雲が幾筋も走る静かな午後。
地に落ちた蝋梅の花を拾い集めてポケットに入れて
一足早い春を家に持ち帰った。


おまけ
その他の写真はこちらをご覧ください 
→ https://picasaweb.google.com/104915518421068648185/20130209