光を求めて...

この週末は、薬の力を借りて充分な睡眠をとり
あとは、ほとんど家の中で読書をしたりして過ごした。
おかげで疲労はほぼ解消し、少し前向きな思考が戻った。


夕方、ふらっと散歩に出かける。
といっても遠出はせずに、近くの緑道を少しだけ...
陽の当たらない窪地に残った雪の上に枯葉が落ちている様子が気にかかり
そこまで降りていく。
雪の重さに耐えかねて折れた小枝、雪がやんでから落ちた枯葉、
そして、溶けかかった雪の下から現れた落ち葉...
ガラスのように氷った残雪とのコントラストが寂寞として美しい。



北海道のUさんからの激励のメールの中で紹介してくださった本の一節...
まさに自分のことを言い当てられたようで、Uさんの想いが胸に刺さった。
早速、その本を購入して一気に読んだ。
建築家 安藤忠雄

最初から思うようにいかないことばかり、何か仕掛けても、大抵は失敗に終わった。
それでも残りわずかな可能性にかけて、ひたすら影の中を歩き、
一つ掴まえたら、またその次を目指して歩きだし...
そうして、小さな希望の光をつないで、必死に生きた人生だった。
いつも逆境の中にいて、それをいかに乗り越えていくか、というところに活路を見出してきた。
(中略)
人生に"光"を求めるのなら、まず目の前の苦しい現実という"影"をしっかりと見据え、
それを乗り越えるべく、勇気をもって進んでいくことだ。
情報化が進み、高度に管理された社会状況の中で、人々は、
「絶えず光の当たる場所にいなければならない」という強迫観念に縛られているように見える。
(中略)
何を人生の幸福と考えるか、考えは人それぞれでいいだろう。
私は、人間にとっての本当の幸せは、光の下にいることではないと思う。
その光を遠くに見据えて、それに向かって懸命に走っている、無我夢中の時間の中にこそ
人生の充実があると思う。


苦闘にひとつひとつ打ち克ってきた人らしい人生観だな。
かつては光を浴びた時期もあった。
しかし、遠い過去を回想したところで、どうなるものではない。
新たな光を求めて、懸命に走っていかねばならぬ。


帰り道で見た西の空...