美を求める心

今年も蓮の花が咲いた。
2000年...種のまま生き続けた蓮の生命の
なんと美しいことか
あらゆる表現も評価も寄せ付けぬ美しさは
観る人を圧倒し、言葉を奪い去る。
花の周囲は、そこだけ2000年前の空気が
漂っているような沈黙が横たわっている。

美しいものは、諸君を黙らせます。美には、人を沈黙させる力があるのです。
これが美の持つ根本の力であり、根本の性質です。
絵や音楽が本当に解るという事は、こういう沈黙の力に堪える経験をよく味わうことに他なりません。(中略)
解るという言葉にも、いろいろな意味がある。人間は、いろいろな解り方をするものだからです。
                 小林秀雄『美を求める心』

一輪の花の美しさをよくよく感ずるという事は難しい事だ。
仮にそれが易しい事だとしても、人間の美しさ、立派さを感ずる事は、易しい事ではありますまい。
又、知識がどんなにあっても、優しい感情を持っていない人は、立派な人間だとは言われまい。           小林秀雄 前掲書

この花のように
なにものにも汚されぬ、美しい心を持ちたいものだ。
優しい心を持ちたいものだ。




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