『アンナ・カレーニナ』

このところ平日に日記が書けず
書くことがたまってしまったので、
ちょっと欲張ります。


さて、春の花が次々と開いてくるなか
チューリップも楽しみのひとつ
昭和記念公園のHPをチェックすると
ちょうど見ごろを迎えているというので
そそくさと準備をして出かけた。


広い池の周囲には、100種類を超えるチューリップが満開...
しかし...晴天の日曜日、しかも入園無料日...ということで人も満員
というわけで、写真は落ち着いて撮れなかったが、チューリップは満喫




その他の写真は → 2013年 昭和記念公園のチューリップアルバム


先日、映画『アンナ・カレーニナ』を観賞
戦争と平和』とならぶ、トルストイの名作
ドストエフスキーをして
「芸術上の完璧であって、現代、ヨーロッパの文学中、なに一つこれに比肩することのできないような作品」
と言わしめ、世界の文学の最高峰と言われるほどの作品...
...だが、過去に二度ほど挑戦して、途中で投げ出してしまった。
で、映画から入ろうと思って観ることに...

「幸福な家庭はすべて似かよったものであり、不幸な家庭はどこもそのおもむきが異なっている」
という、あまりにも有名な一行から始まる物語は
アンナ・カレーニナの兄の浮気騒動から始まる。
兄夫婦の仲裁にモスクワに向かったアンナは、そこで美しい青年将校ヴィロンスキーと出会い彼に惹かれていく。
しかし、彼は兄嫁の妹キティーが憧れている相手でもあった。
ダンスパーティーでキティーからヴィロンスキーを奪うアンナ...ダンスのシーンは圧巻である。
次々と目まぐるしく変わる場面は、「人生は劇である」ということを暗示させるように
舞台の上で起こっているような組み立てになっていて、
登場人物は、あるときは観客となり、あるときは裏方となりながら、場面が展開していく。


アンナは、息子への愛情を捨てきれないままヴィロンスキーとの愛に溺れていき、彼の子供を産む。
しかし、夫のカレーニンジュード・ロウの変わりようにも驚いたが...)は、世間体を気にして離婚を認めない。
アンナとヴィロンスキーの関係は、次第に破滅へと...
一方、ヴィロンスキーをアンナに奪われたキティーは絶望して病になってしまうが
その後、リョーヴィンに求婚され、地方の農村での幸せな生活が始まる。


幸福と不幸について...生と死について...貴族社会の虚飾と農村の人間らしい生活...愛と肉欲について...
人生の多くの難問をリアルに描いていく...


映画を観ることで、原作にもまた挑戦しようと思った。


たまたま、黒澤明の映画『生きる』に興味を持って2冊ほど本を読み、
この描き下ろしの映画が、トルストイの『イワン・イリイチの死』から着想していることを知って
この中編小説を読み、同じ文庫本に収録されていた『クロイツェル・ソナタ』を読了して
トルストイの文章にも少し慣れたので、次こそは『アンナ・カレーニナ』と『戦争と平和』は
読了したいと思う。

アンナ・カレーニナ〈1〉 (光文社古典新訳文庫)

アンナ・カレーニナ〈1〉 (光文社古典新訳文庫)


おまけ
我が家のモッコウバラ