『白夜行』

超人気作家 東野圭吾原作の映画を観に行く。
高校時代の剣道部の同期生石井君が、この映画を撮影したからである。


東野圭吾の小説は、これまでに『手紙』しか読んだことがない。
さすがに人気を集めるだけあって、ストーリーも面白いし、文章も上手い...
が、他の作品を読む気にはなれなかった。
切なすぎるのである。


小説は、決してハッピーエンドでなくていいのだが、目指すところは人間の幸福であってほしい。
読む人にとって、何らかの生きるよすがとなりうる小説...
宮本輝の言葉ではあるが...そういう小説しか読めなくなっている。


白夜行』は、もちろん原作を読んでいないのだが
映画を観るというよりも、映像を観に行ったといってもいい
これまでの日記でも紹介してきたが、
石井君の撮った作品は、世界的にも有名な数々の賞を受賞しており
その映像に込められたカメラマンの気迫は凄まじいものがある。
これだけの人気作家の作品を撮ることになったのも
その力量が業界で認められているからであろう。
今回の作品は前回よりもさらに素晴らしいものであった。


物語は、どこまでも切ない。
掘北真希はハマリ役だし、船越英一郎の演技も素晴らしかった。
こんな世界も現代の世の中には現実にあるのだろう...
陰ばかりの人生を微かな光で照らし続けた白夜のような光は
あまりにも儚く哀しかった。


石井君には、これからまだまだすごいオファーが来ることだろう。
若き日から自分の道を定めて、ぶれずにまっすぐ走ってきた男...
友人として誇りに思う。
今の自分とはあまりにも対照的で、眩しいくらいである。
益々、活躍してほしいな。