隅田川

1月15日に現場作業の契約期間は終わったが、細かい工事が残っていて
週に2〜3日足立の現場に通っている。
往復4時間の通勤と、激しい肉体労働に疲れきってしまい
精神的にもかなり辛くなってしまって、今週は浅草のホテルに泊まらせてもらう。


仕事が終わり、ホテルで缶ビールとコンビニ食を食べて夜の街へ..
雑然とした裏通りをとぼとぼと歩いて隅田川に出る。
吾妻橋の途中まで行って立ち止まり、欄干にもたれて橋の下に目を落とす。
ネオンやら街灯やらの光がゆらゆらと揺れている。
ネオンが消える刹那に真っ黒な恐ろしい揺らめきが、一瞬姿を現す。
都会の虚飾に充ちた光を一枚めくれば、その下には深い深い闇がどこまでも続いている。


先日、先輩のSさんに「甘ったれるな」と𠮟られた。
「世の中にはもっと大変な人はいくらでもいる」と...
そのとおりかもしれない。
不治の病にかかった人、路上で生活する人、戦乱の国に生きる人..
そんな人と比較して見ることができれば、幸せに違いない。
自分は、世間に甘え友人に甘え自分に甘えているだけの、くだらないナルシスト。
殆どの人がこの日記を読んでそう思っているのだろうな。
こんなことくらいで、うつ病になるなんて..どこまでも情けない人間だ。


そう思いながらも、どうしてよいのかもわからない愚かな自分と
自分そのもののような黒い水面を見比べながら
人々が早足で行き交う橋の欄干にしばらく立ちつくしていた。