我々はどこから来たのか?

またしばらくさぼってしまったので、
一週間ほど前のこと...
ゴーギャン展@国立近代美術館


イカリエンテの父は、電気工事屋だが
若いころから実に趣味が多彩で、しかも免許マニア
仕事も忙しかったのに、休みも家にいたためしがない。
音楽・美術・写真・車・ゴルフ・電気...
そのうちのひとつが油絵で、小学生のころはよく写生や美術館巡りにつきあわされた。
本棚には数十巻セットの世界の画集があって、ある時期、毎日のようにページをめくっていた記憶がある


ゴーギャンの絵も、そのうちのひとつでタヒチの女性たちの姿が脳裏に焼き付いていた。
地下鉄のホームに張ってあったポスターの絵を見て、懐かしさを感じた。
そして、自分の肉眼で見てみたくなった。
日本初公開という最高傑作のタイトルは
「我々はどこから来たのか  我々は何者か  我々はどこへ行くのか」
タイトルを読んだだけでも 興味をそそられる。
音楽と同じく、絵画も生で見ないとその本当の迫力や美しさはわからない。
目の前に現れた、想像を超えるスケールの絵画の前に、圧倒されるばかりだった。

私は、死を前にしての全精力を傾け、ひどい悪条件に苦しみながら、情熱をしぼってこれを描いた。
そのうえ訂正の必要がないくらいヴィジョンがはっきりしていたので、早描きのあとは消え、
絵に生命が漲ったのだ。これには、モデルだの、技術だの、規則だのと言ったものの匂いはない。
このようなものから、私は、いつも自分を解き放ってきた。ただし、時には不安を覚えながらね。


タヒチからの手紙」(岡谷公二 訳)からの抜粋

ヨーロッパの物質文明に背を向け、タヒチで骨をうずめたゴーギャン
生と死という、人生最大の問題に向き合いながら格闘した跡が、この一幅の絵の中に刻まれている。


もっともっと素晴らしい芸術作品に触れていきたい。