カリフォルニアのロマネ・コンティ

ロマネ・コンティといえば、
誰もが知っているフランスの超高級ワインだが
そのロマネ・コンティのDRC社が、
カリフォルア随一の高級葡萄農園
Hyde農場の葡萄で作ったワイン。
その処女作は2000年。
出荷数は、わずかに700ケースという貴重品。
イカリエンテの手持ちのワインの中に2本残っていたのだが、飲みごろは2003年〜2008年
すでにかなり熟成しているはずなので、友人K君の家に持って行って一緒に飲んだ。
スパイシーな香り、エレガントな味わい。
ワインの表現って難しくてうまく言えないけれど、美味しい。


『名文を書かない文章講座』
名文を書かない文章講座 (朝日文庫)
美しい文章を書きたい。力強い文章を書きたい。
イカリエンテの予てからの願いである。ところが、文章というのはなかなか上達しないものである。
本屋でたまたま見つけた村田喜代子の本を買って読んでみる。
古今東西の作家の名作や、子供が書いた文章などを挙げながら、
文章を書くためのコツが様々な視点から優しく書かれている。
しかし、つまるところ、最も大事なのはテクニックではなく自分の内面でなのある。

いったい文章を書く場合のインスピレーションは、どうやって生まれるのだろうか。
一見それはどこかから飛んでくるような感じだが、しかし、自分自身の外側にあるものではない。
自分の中のものが、外側の刺激というか、きっかけを得て頭に浮かんでくるのだ。
そのためには普段から自分の内側に感動を備蓄しておくこと、からっぽの水差しからは水は出てこない。

文章は道理だ。道理を踏んで書けばいいのである。人間を相手にしているのだから、
特殊な書き方などあるはずがない。
それでも難しいと思うとすれば、この本を読むことで、
今まで感づかなかった別の厳しさに直面したせいかもしれない。
それは文章の技術ではなくて、心の在りようの難しさではないだろうか。
しかし心の在りようは、道理に照らせばしぜんとわかるものだ。

いいワインというのは、最高の素材で作られることは言うまでもないが
大事なのはその発酵・熟成の工程である。熟練した職人が微生物と対話するように育てていく。
人に感動を与える文章を書くためには、人間としての熟成が必要なのではないか。
人間の熟成は恒温室では為し得ない。
波風があって、苦闘があって、それを乗り越え踏み越えていったところにあるのではないか。
名文を書くには、まだまだ遠い。
いつかワインのように...熟成した文章が書けるようになりたい。