真夜中の現場

臭気判定士・臭気対策アドバイザー
という資格を持っている。
本業ではないのだが..
長野のある山村にある堆肥の施設で苦情が発生
アドバイスの前に現状調査をしなければならない。
苦情のため夜間しか運転しないということで
人里離れた山奥の施設に一人で向かう。
林に囲まれて、車のライトを消すと何も見えない漆黒の闇。
虫の鳴き声と草葉の擦れ合う音以外何も聞こえない。
隣の敷地にはなぜかぽつんとお墓が...
場内には、数百トンの牛糞の山!
誰もいないだだっぴろい施設で
車のライトと懐中電灯を頼りに一人臭いの調査を始める。
都会育ちのムイカリエンテにはかなり苦手なシチュエーション。
依頼者である地元の役所の職員でさえ
「あそこだけは夜に行きたくありませんね〜
 いのししくらいは出ますのでお気をつけて...」
と冷たい一言。
自動で動く機械の上に登ったり(セルフタイマーで撮影)
はしごをかけて7mほどの高さまで登って測定したり
周辺の草むらを掻き分けて測定したり
最後に隣接する梨畑に入って測定しようとしたその刹那
ピカっとフラッシュが光る!
悲鳴をあげそうになったが斜面がきつく走れない。
よく見ると動物よけの装置らしい。
スリルと危険と悪臭に満ちた調査は、1時間ほどで終了。
ハ〜怖かった