- 作者: 四方田犬彦
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2006/01/01
- メディア: 新書
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KAWAIIという言葉が、世界のいたるところで
使われているというニュースを見たあと
本屋にあったので、読んでみた。
セーラームーン・キティー・ポケモン等々
日本から世界に輸出している KAWAIIグッズは数知れない。
アメリカ向けの輸出金額は、鉄鋼業の4倍というから
以前では考えられない。
それだけ日本のPOPアートのセンスが優れていることもあるのだが...
この本では、これらの分析をするとともに
学生のアンケートなどをもとに
男女や年齢層によるかわいいの捕らえ方
また世界の前後の中の同義語の微妙な違いにまで着眼して
日本の「かわいい」がなぜ世界に広まったのかを考察している。
また、雑誌別の読者層による「かわいい」の違い
秋葉原と池袋のオタクの違いにまで論は進み
最終段では著者独自の「かわいい」観で
その裏に隠された落とし穴を突いている。
短い新書の中に非常に奥深い洞察があって
現代を見る一つの観点として、興味深い内容だった。