下流とは...

先輩のI氏に勧められて
光文社新書下流社会三浦展著を読んだ。
下流社会 新たな階層集団の出現 (光文社新書)
『さおだ屋はなぜ潰れないか』に次いで
ベストセラーになっている。

下流社会とは上流社会の反対語
近年の格差社会を反映するよな言葉である。
この『下流』とは、実際の収入の低さもあるが
ここでは意識の問題である。
自分が下流だと思う人が増大している。

内容的にはアンケートを元にした数字の分析が主で
数字の羅列を見て、本当にそうなのかなと思うところもあるが
青年の急速な退廃は、今後の社会を考える上で
不安にならざるえお得ない。
熱い青年が少なくなってうるということが数字に表れる。

下流の人たちの特性はいくつかあるが
特に顕著なのが、コミニュケーション能力が非常に劣るというか
他社と関わろうとしない。ひいては社会に関わろうとしない。
自分の狭い空間に安住し、パソコンに向かって
バーチャルな世界に浸る人間が急激に増えている。
憂うべき社会である。
これは、日本という社会の流れのなかで出てきた一つの思想なのだと思う
青年が夢をもてない社会
変革しなければ、このまま世界の中で日本は沈没してしまうだろう。

この前も取り上げたが
北方謙三の言っている「生きる意味を見失った不安」に
打ちひしがれているのかもしれない。
彼の『水滸伝』は、それを見つけてもらうために書いたと言っているが
ここにアクセスすることすらないのではないか?
梁山泊に集まる豪傑たちの、男と男の世界には
乱れた社会を変えようという情熱だけだったと思う。
自らをカテゴリー分けすることなく
その人間の持つ能力を最大に使って戦ったはずである。
108人の豪傑は、半数以上が戦い半ばで死ぬことになるが
戦いきった死に様は美しい。