長江哀歌

気がつけば、しばらく映画を観る余裕すらなかった。
公開中の作品は、特に興味がわかないのでレンタルへ
目当ての『バベル』が見つからず...たまたま目にした『長江哀歌』を借りる。
長江哀歌 (ちょうこうエレジー) [DVD]
中国の急激な発展、三峡ダムの工事で消えゆく町 奉節
三国志の舞台にもなり、李白の詩の題材にもなった美しい大河の流れ。
16年前に姿を消した妻と娘に会いにこの町にたどりついた男、2年間連絡のとれない夫を探しに来た女。
それぞれの人生が、交錯しまた離れてゆく。
悠久の流れの中では、なにもかもがたいしたことではないのかもしれない。
尾を引くような美しい歌声が、川面をわたってゆく。
「喜びも哀しみも なみにもまれてわからなくなってしまった」
水墨画のような山河と壊されてゆく建物...
それでも人間はたくましく生きてゆく。
虚飾にまみれた都会の生活をあざ笑うかのような映画だった。


ぱぱさんの家の庭にある沈丁花の新芽をいただき、庭に植える。
数年後には、ムイカリエンテの大好きな甘い香りの花が咲くはずである。