久しぶりに鈴鹿泊 5時起床
早朝の空気を吸いたくて水田地帯に出る。
田の向こうに昇る朝日。
垂れ始めた稲穂に朝露が光る。
朝はふたゝびこゝにあり
朝はわれらと共にあり
埋れよ眠行けよ夢
隠れよさらば小夜嵐
もろは諸羽うちふる鶏は
咽喉の笛を吹き鳴らし
けふの命の戦闘の
よそほひせよと叫ぶかな
野に出でよ野に出でよ
稲の穂は黄にみのりたり
草鞋とく結へ鎌も執れ
風に嘶く馬もやれ雲に鞭うつ空の日は
語らず言はず声なきも
人を励ます其音は
野山に谷にあふれたり
流るゝ汗と膩との
落つるやいづこかの野辺に
名も無き賤のものゝふを
来りて護れ軍神 (島崎藤村 『落梅集』労働雑詠 朝より)