水滸伝...男の世界

水滸伝 2 替天の章 (集英社文庫)
このところ、読書シンドローム
本屋にふらっと入ると、何か買ってしまう。
長編の水滸伝を読み始めたのに、他の本をつまんでしまうと
長編のペースが落ちてしまう。
2巻やっと読了。そして3巻へ
この一週間で買ってしまたのがこちら→
写真集・インタビュー本・歴史小説・ノウハウ本にデータ集・エッセー...
とりとめもない。
さて水滸伝
いよいよ梁山湖の山賽に晁蓋率いる先発隊が入って
世直しの志を忘れた王倫を排除して、梁山泊を打ち立てる。
民衆のための戦いの本拠地である。
宋江晁蓋というリーダーの下に、ありとあらゆる人材が
雲霞のごとく結集してくる。
役人もいれば軍人もいる。医者に泥棒・商人・地主...
豪傑はとてつもなく強いのである。
外見はうだつのあがらない役人宋江や、小さな村の若き保生晁蓋
一癖も二癖もある豪傑たちが、このリーダーのもとに集まったのは何故か?
決して揺るがない正義への志と情熱。
人材を見極め、そしてとことんほれ込む人情の熱さ。
人を大事にする懐の大きさ...
一つの目的のために人材が適材適所でその力を存分に発揮する。
組織論に当てはめてみても、素晴らしいものである。
男と男の出会うシーンも、また緊張感にみなぎっていて美しい。
魯智深は、全国を行脚して人材を見出し、宋江の思想を説いて啓蒙し仲間を募っていく
そしてまたその人材と人材が志で結ばれ、自らの使命を自覚し力を発揮していく。
元々能力がありながら、社会の腐敗によって浮かばれぬ人々
どう生きていいのか迷い悩む人々
世の中のために戦おうという志で結ばれていくのである。
2巻の名場面の一つ、林沖と楊志の決闘
梁山泊に身を隠す、槍の名手豹子頭林沖と地方の見回りに来る青面獣楊志の格闘
林沖の槍が勝ったが、楊志の剣に惚れ、同志として戦いたいと思って勝負をつけない。
こんな男と男の緊張あふれる出会いのシーンが数限りなく出てくるのである。
北方謙三というハードボイルド作家の水滸伝を、自分は少し偏見の目で見ていたようである。
原作を一旦ぶっ壊して再編し、ストーリーも人物の関係性もしっかり整理して
実に読みやすく、それだけでなくめちゃめちゃ熱いのである。
心躍るシーンあり、涙を流すシーンありで、読んでいる間の興奮は言い尽くせない。
まだまだ長いのだが...
それにしてもいつ本を読もうかな...